10年前、本山での修行期間を終えた兄弟子の倉島隆行(僧名・リュウギョウ)と弟弟子の河口智賢(僧名・チケンは、自らの生まれた寺へとそれぞれ戻っていった。富士山の裾野に広がる山梨県都留市、耕雲院。智賢は、住職である父と、母、妻、そして重度の食物アレルギーを抱える3歳の息子と共に暮らしている。全国曹洞宗青年会副会長としての顔も持ち、いのちの電話相談、精進料理教室やヨガ坐禅など、意欲的な活動を続けている。一方の兄弟子・隆行は福島県沿岸部にあったかつてのお寺も、家族も檀家も、すべてを津波によって流されてしまった。今では瓦礫撤去の作業員として、ひとり仮設住宅に住まいながら本堂再建を諦めきれずにいた――。
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典座 -TENZO-
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2019年10月4日(金)公開